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亜門虹彦のビバ!青春!

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亜門虹彦の日々のいろいろ

角川映画を見る~『女王蜂』

東京都新宿区新宿字恐山、亜門虹彦です。

えー、お仕事などもろもろの連絡メールは、turbine2000@gmail.comにお願いします。こちらから折り返し、本メールにて返信させていただきます。

最近読んだ本
ジェフリー・ディーヴァー『スリーピング・ドール』…『ボーン・コレクター』から始まる、リンカーン・ライムシリーズという小説シリーズがありまして、私はいつも楽しみに、一作一作読んできたのですが、そのシリーズに脇役で登場したキャサリン・ダンスを主人公にしたいわばスピンアウト作品。このキャサリン・ダンス、キネシクスの専門家であります。キネシクスというのは、「容疑者や証人のボディランゲージや言葉遣いを観察し、分析する科学」。カルトのリーダーが脱獄をして、それを追うことになるのですが…。いやー、面白かったですね。キャサリン・ダンスの尋問の場面も、どんなしぐさを元にウソを見抜いたかといったことがしっかり書き込まれているので、楽しかったです。二転三転するどんでん返しも効いています。シリーズの続きも読みたいけれど、全部読みつくすと楽しみが少なくなってしまうのが寂しいところ。

f0237494_2332249.jpgさて、角川映画を観る会、第5弾は1978年2月公開の『女王蜂』であります。監督はもちろん、市川崑。『獄門島』から約半年後の作品ですが、出来栄えはいかがでしょうか?

お話はといいますと、次の通りです。

昭和7年の天城で、大道寺銀三(仲代達矢)と日下部仁志の二人の学生が、大道寺琴絵という女性と出会う。日下部は大道寺琴絵を愛し、やがて琴絵は妊娠する。しかし、日下部は母に結婚を反対され、崖の上から転落死する。昭和11年。銀三が琴絵に、日下部との子供を承知の上でプロポーズする。昭和27年。美しく育った智子(中井貴恵)に、三人の求婚者が現われる。そして、そのうちの一人・遊佐三郎が大時計の歯車に体を引き裂かれて死ぬ。その第一発見者が智子だった…。

予告編は、こちらです。

f0237494_2332494.jpgさてこの映画のウリはといいますと、『犬神家の一族』の高峰三枝子さん、『悪魔の手毬唄』の岸恵子さん、『獄門島』の司葉子さんという3人の大女優さんが競演していること。そこに、仲代達也さん(1975年の市川監督作品『我輩は猫である』で苦沙弥を演じました)が加わって、豪華キャスト感が強まっています。さらにミラーマン、仮面ライダー2号、バロム1も出演していますよ。そして超大型新人女優、中井貴恵さんがヒロインを演じます。

映画の開始早々、仲代達也さんの学ラン姿を楽しむことができます。このあたりは、出演者の顔面にこだわるわりに年齢にこだわらない、市川崑監督の面目躍如と言えますね。

しかしその後、物語は微妙な違和感をはらみ始めるのです。

f0237494_23331178.jpg中井貴恵さんが演じる大道寺智子、原作ではこう表現されているんですね。「昭和二十六年五月二十五日をもって、満十八歳になる大道寺智子の美しさは、ほとんど比べるものがないくらいであった。(中略)とにかく諸君があらん限りの空想力をしぼって、智子という女性を、どんなに美しく、どんなに気高く想像してもかまわない。それは決して、思いすぎということはないのだから。」

もちろん中井貴恵さんは、とてもステキな女性であると思うのです。性格もとてもよろしいでしょうし、お美しいと思うのですよ。でも、その、なんですか、この作品のヒロイン像とは、ちょっと違うかと…。『女王蜂』というタイトルも、第一印象的には大道寺智子を指すわけで、群がってきた男たちを破滅させる存在感みたいなものが欲しかった。

大滝秀治さん、小林昭二さん、三木のり平さん、坂口良子さん、白石加代子さんなど、いつもの市川崑組役者陣もたくさん出演。ただ、お話の方がけっこう盛り上がらないので、つらいところです。

f0237494_23333228.jpgこの作品では、京都でのお茶会の場面が、見た目的に盛り上がる場面として設定されているんですが、この場面も今ひとつ精彩を欠いてしまっております。うーん、残念。けっしてすごくつまらないというほどではないんですが…。

『女王蜂』の毒は、あなたの脳みそに届いたでしょうか?

次回の『角川映画を観る会』は第6弾、『野性号の航海 翔べ怪鳥モアのように』です。1978年5月公開作。
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by nijihikoamon | 2012-04-16 23:34 | 角川映画を観る