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角川映画を見る~『野性号の航海 翔べ怪鳥モアのように』

ドロロンえん魔くん! 亜門虹彦です。

えー、お仕事などもろもろの連絡メールは、turbine2000@gmail.comにお願いします。こちらから折り返し、本メールにて返信させていただきます。

最近読んだ本
・小泉喜美子『弁護側の証人』…えー私はいわゆる「叙述トリック」のミステリーが大好きで、この本もその1冊。1963年に初めて単行本化された古い小説ではあるのですが、かなり面白かったです。2009年に復刊された集英社文庫版では道尾秀介さんが解説を書いていらっしゃるのですが、こちらも適切。

角川映画を見る~『野性号の航海 翔べ怪鳥モアのように』_f0237494_9595280.jpgさて、角川映画を見る会、第6弾は『野性号の航海 翔べ怪鳥モアのように』です。1978年5月公開作。監督は門田得三さん。DVD化されていないということで、VHSのテープをレンタルしているところを見つけて、そこで借りてきて、鑑賞しましたよ。

この映画はどういうものかといいますと、つまりはドキュメンタリーなんですね。

1977年5月16日、一艘の帆船が太古の海へ漕ぎだしていった。野性号II、片翼の怪鳥モアにも似たアウトリッガー・カヌーだった。古代文化の移入ルートのひとつと想定されている“黒潮の実験航海に挑んだ若者たちが、ルソン島から鹿児島へむけて、2500キロの壮途についたのだった。古代文化史の未明な部分にメスを入れ、日本文化の源流を探ろうとする実験航海である。古代帆船カヌーを建造し、ルソン島から鹿児島まで、11人のクルーを乗せ、風まかせ、潮まかせの帆走を試みようと出港したものの、マストを折るなどのアクシデントに見舞われる。クルーはそのたびに一喜一憂をくり返し、出港後44日で、鹿児島港に野性号IIを無事接岸されたのだった…。

スクリプトを片岡義男さんが、ナレーションを西田敏行さんが担当しています。

角川春樹さんが船長となって、角川書店社員や冒険家の堀江謙一さんとともに帆船を操るのですが、実は途中でかなりあちこちの島に立ち寄っているんです。しかも伴走する船があるし、けっこう普通のご飯を食べています。その意味では、「すごく過酷」というわけではないような印象があるんですね。もちろん、この船が沈んで角川書店主要メンバーの身に何かあったら、角川書店崩壊ということになってしまうので、そんなわけにはいかないというのもわかるのですが…。

ただ一番「つらいだろうな」と思ったのは、人口密度の高さです。船のサイズと比べて、人が多いんですよ。そのため、一日中、いや何日も続けて、すぐ間近に、角川春樹さんの顔面がある。何かと気を使うし、大変であります。そこは本当に「乗組員のかたがかわいそう」と思ってしまいましたよ。

ドキュメンタリーなので、出港してすぐマストが折れた以外は、天候や風向きが思うようにいかないくらいのもので、あまり大きな事件が起きるわけではありません。船の旅というのは、そんなものなんですね。

本も売れているし、映画も次々ヒットして、角川書店にはお金がたくさんある。そこで税金を払うよりは好きなことにお金を使おうと思って、企画した映画なのかな…とゲスな私は思ってしまいました。

ただ、何て言うんでしょう、インドアの私ですが、やはり海の風景は気持ちがよかったですよ。なので、それほど退屈せずに、見ることができました。

それにしてもこの映画、ネット上にスチルとかもなくて、そこはちょっと寂しかったですね。

海、冒険、それは男のロマン。私もいつか、そんな冒険に出たいものです。え? 今さら無理だろうって? いや、貴女の心という、大海原があるじゃないですか。(←いい加減なまとめ)

次回は第7弾、『野性の証明』です。1978年10月公開作。
by nijihikoamon | 2012-04-23 10:04 | 角川映画を観る