人気ブログランキング | 話題のタグを見る

角川映画を見る~『人間の証明』

わ~かめ好き好き~! 亜門虹彦です。

えー、お仕事などもろもろの連絡メールは、turbine2000@gmail.comにお願いします。こちらから折り返し、本メールにて返信させていただきます。

最近読んだ本
・深町秋生『デッドクルージング』…かなり好きな作家でありまして、この『デッド・クルージング』でおそらく、今出ている深町秋生さんの本は、全部読んだことになりますよ。2015年、中国人、韓国人、日本人が入り乱れる暴力都市となった東京を舞台にした、ノワール・バイオレンス小説とでも言ったらいいのでしょうか。疾走感あふれる展開でしたが、登場人物が多くて、それを追っていくのがちょっぴり一苦労でありました。
・湊かなえ『少女』…同じ湊かなえさんの『告白』は読んでいて、なんて後味の悪い小説か、とビックリしていたのですが、この『少女』は『告白』ほどは後味の悪さを感じませんでした。とはいえ、けっこうイジワルな部分はあるし、後味が悪い出来事もたくさん起こっているのですが。でも面白かったですよ。

角川映画を見る~『人間の証明』_f0237494_23493846.jpgそれはさておき、角川映画を見る会、第4弾は『人間の証明』であります。監督は『ゴルゴ13』『新幹線大爆破』などを作った、佐藤純彌。スケールの大きな作品には、うってつけのかたですね。佐藤純彌監督、後に『超能力者 未知への旅人』『北京原人 Who are you?』なども撮られることになります。原作は森村誠一。公開は1977年10月。

角川映画を見る~『人間の証明』_f0237494_23501332.jpgお話はといいますと、次の通りです。
東京の高級ホテルのエレベーターで黒人男性が殺された。“ストーハ”という言葉と、西条八十の詩集を残して。捜査線上に見え隠れするファッションデザイナー八杉恭子とその息子。黒人男性の過去を追って渡米する棟寄刑事。八杉と黒人男性の意外な関係、そしてアメリカの刑事と棟寄刑事の関係が明らかになる…。


予告編はこちらです。

今回改めて見返してみましたが、私が16歳の時の作品ということで、まさに時代の雰囲気をまざまざと思い出しました。映画というのは本当に、時代を映すものでもありますね。

角川映画を見る~『人間の証明』_f0237494_23504456.jpgこの映画の実質的な主役は、松田優作とジョージ・ケネディということになるのでしょうか。かなりの部分、ニューヨークロケを行っていて、当時の角川映画の気概というか、本気度合いがうかがえます。出演者もかなり豪華で、岡田茉莉子さん、三船敏郎さん、鶴田浩二さん、ハナ肇さんなど、お金がかかっている感がにじみ出ていますね。市川崑の金田一シリーズからは、坂口良子さん、大滝秀治さんも出演しています。

ただ、八杉恭子の、実は山本寛斎さんのファッションショーのシーンは、けっこう苦痛でありました。山本寛斎さんのファッションのよさを、私が今ひとつ理解できないのが原因かもしれませんが。

喫茶マニアとしては、鈴木ヒロミツさん出演場面の喫茶店が、新宿三丁目の「エルザ」(今はトラットリアになっています)なのに、懐かしさを感じましたよ。

角川映画を見る~『人間の証明』_f0237494_23511122.jpgそして物語は、謎解きの場面へ。ジョー山中さん、残念ながらセリフを言ったりするのはあまり得意ではないというのが、ここで初めて露呈します。日本語のセリフをいくつか、口にするんですね。しかしそれまでの豪華出演者がコツコツお芝居を積み重ねてきたせいで、あまりガッカリ感がありません。この辺は、演出・編集のうまさといったところで、感心いたしました。

そして最後に流れる、♪ママ~ドゥユリメンバー~。うーん。私はけっこう満足できましたが、今の人が見てどう思うのでありましょうか? 当時の時代性と言いますか、アメリカに対する二律背反的な感情が背景にあると思うのですが、そのあたり、今とはとらえ方が大きく変わっているようにも思いますね。アメリカとは何なのか? その答えは皆さんの心の中にあるのかもしれません。(←無責任なまとめ方)

次回は、第5弾『女王蜂』であります。
by nijihikoamon | 2012-04-03 23:52 | 角川映画を観る